体質や持病の種類・程度によっては、フォシーガが服用できないケースがあります。
フォシーガの服用がリスクとならないためにも、持病の有無やアレルギーがあれば医師に事前に伝えるようにしましょう。
お年寄りでやせすぎた場合は、SGLT2阻害薬は中止する場合もあります。
体重が増えにくいお薬には、ビグアナイド薬、DPP-4阻害薬、α-グルコシダーゼ阻害薬があります。
作用機序の異なる糖尿病薬が次々に登場しています。そんな中、薬剤師さんからよく寄せられるのが「糖尿病薬の使い分け」についての質問や疑問です。最近は病態だけでなく、年齢によっても糖尿病薬を使い分けることが推奨されており、高齢者への服薬指導が特に重要になってきました。今特集では、薬剤師さんを悩ます糖尿病薬の選択や使い分けなどについての疑問・質問に対して、東京都健康長寿医療センター内科総括部長(糖尿病・代謝・内分泌内科)の荒木厚氏に解説していただきます。
・α-グルコシダーゼ阻害薬 [グルコバイ®、ベイスン®、セイブル®] ..
余談ですが、阻害薬は余分な糖の排泄、尿量増加によるダイエット効果が期待できるため、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。
阻害薬は糖尿病治療のために作られた薬なのですが、近年の研究で心臓・腎臓を傷めてしまった患者さんに大きな利益をもたらされることが実証されており、最近では糖尿病がなくても心不全・慢性腎臓病を患っている患者さんに阻害薬を投与しましょう、という動きが加速しています。
低血糖を起こしたときは、ブドウ糖を飲むようにします。 α-グルコシダーゼ阻害薬
体重が減りやすい糖尿病治療薬には、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬があります。
現在、我が国で市販されている経口糖尿病薬は、スルホニル尿素(SU)薬、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン系薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬です(表1)。これらの中から患者さんに最初に処方する薬を選ぶときは、有害事象をできるだけ少なくするような薬物選択が重要になってきますから、まずは薬物の禁忌に当たるものに当てはまっていないかどうかを考えます。たとえば高齢者では低血糖のリスクが少ない薬剤を中心に組み立てていきます。高齢者にとって低血糖は種々の悪影響を及ぼします(表2)。
どちらがあなたに向いてる?SGLT2阻害薬(フォシーガ)とGLP-1
糖尿病治療の薬物療法に用いる経口薬や注射薬は、少量から始めて血糖コントロールの状態をみながら徐々に増量します。体重減少や生活習慣の改善による血糖コントロールの改善に伴って糖毒性が解除され、薬剤の減量や中止の可能性もあります。
最後に、これは医療者側が留意することなのですが、前回・前々回のブログで取り上げた「インスリン分泌不全タイプ」、つまり、体質的・遺伝的に血糖値を下げる物質であるインスリンを自前で作る力が弱い人に阻害薬を投与すると、前述の「ケトアシドーシス」のリスクが高まるため、慎重に投与することが重要です。私はそのような患者さんでは、インスリンの注射、あるいは体内でインスリンを作るのをサポートする飲み薬を併用するようにしています。ちなみに、インスリンは自前でたくさん作れるがそれがうまく活かせていない「インスリン抵抗性」タイプではあまりこの心配はありません。
フォシーガで本当に痩せる?効果・飲み方・メトホルミン併用の真実
前々回のメトホルミンを扱ったブログで「歳以上のご高齢の患者さんはシックデイリスクが若い患者さんより高いため、メトホルミンは慎重投与、歳以上の方に新規で開始することは避けている」と記載しましたが、この阻害薬については、後述の通り心臓・腎臓といった高齢者で機能低下を起こしやすい内臓に非常に良い効果がもたらされることが実証されているため、ある程度お元気な高齢者では慎重に投与するケースもあります。
スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイ、カナグル、ジャディアンス
さらに、これは前々回のメトホルミンと同様なのですが、「シックデイ」と呼ばれる、食事が摂れないほど体調が悪いときは、「ケトアシドーシス」と呼ばれる合併症リスクが上昇するため、休薬が望ましいです。少し鼻水が出る、のどが痛い、微熱がある、程度で食事は問題なく摂れる、ということであれば無理に休薬する必要はありません。
糖尿病治療薬について | きむら内科小児科クリニック | 名古屋市緑区
肝臓からの糖放出を抑制したり、末梢組織でのインスリンの効きをよくすることで、血糖値を下げる薬です。肥満の2型糖尿病患者で心血管イベントを抑制することが知られています。副作用の胃腸障害を避けるために、少量から開始する必要があります。
フォシーガ®、ジャディアンス®、スーグラ®、ルセフィ®、デベルザ®、カナグル®など
(ビクトーザ)(バイエッタ)(リキスミア)
発売当初はかなり期待しましたが、HbA1cを1%程度しか下げないようです。利点はインスリンと違って、体重増加が少ないこと、低血糖をおこさないことです。最近、GLP-1受容体作動薬を週に1回注射する製剤が発売されました。薬自体はよさそうですが、注射針が太いです。先行のビデュリオンは23G(採血するのと同じ針、とても自分で注射するきになれず、患者様にもすすめられませんでした)。次に発売された、トルリシティは29Gと細く、自分でも注射してみましたが、痛くありませんでした。血糖コントロールに難渋する患者様に使ってみる価値がありそうです。
フォシーガ、ジャディアンス、アブルウェイ, 脱水、尿路感染症や性器 ..
また、その患者さんがほかにどのような病気を持っているかも考慮します。たとえば心不全や女性で骨粗鬆症の既往があるときは、心不全や骨折のリスクがあるチアゾリジン系薬のピオグリタゾンが使えなくなります。チアゾリジン系薬は動物実験で骨密度を低下させるとの結果が出ていますし、疫学調査で女性に骨折が増えるとの報告もあります。骨折のリスクは用量依存性ということがわかっており、使うとしてもできるだけ少量で使います。さらに重度の腎機能障害があるときは、ビグアナイド薬のメトホルミンとSU薬、SGLT2阻害薬が使えなくなります。また、腸の手術などをして腸閉塞になりやすい人は、下痢、便秘などの副作用があるα-グルコシダーゼ阻害薬の使用は避けます。まずはそうした禁忌に当てはまる薬物を除外していくこと、その次に病態を考えて、インスリン抵抗性が強いか、インスリン分泌が低下しているかなどで薬を選択していきます(図1)。
どちらかというと、一般的に、消化器症状の中では便秘に比べて下痢の方がおこりやすい印象です。 グルコバイ(アカルボース製剤) ..
腎臓が悪いときに、それ以上の腎機能の悪化を防ぐ薬が、SGLT2阻害薬(フォシーガなど)です。
アカルボース(グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル) ..
上図は阻害薬を内服した腎臓病患者さん、そうでなかった腎臓病患者さんの腎機能低下の度合を比べた研究なのですが、青色の線の「」と書かれた阻害薬を内服した人達において、最初は少し腎機能の低下がみられるのですが、ヶ月以降逆転し、以降は阻害薬を内服している人の方が腎機能低下の度合がゆるやかになり、腎臓病の進展を食い止めることができていることがわかりました。
小腸からの糖分の消化・吸収を遅らせて食後の高血糖を抑えます。 ; 主な副作用
膵臓にあるインクレチンというホルモンは、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促進し、血糖値を上げるホルモンが分泌されるのを抑制し、血糖を下げます。DPP-4阻害薬は、インクレチンが分解してしまうのを抑えてインクレチンの作用を助けます。体重が増えにくいというメリットもありますが、主な副作用として低血糖や便秘があり、SU薬やインスリン製剤と併用する場合は特に低血糖に注意が必要です。
アカルボース ボグリボース ミグリトール, グルコバイ、グルコバイOD ベイスン ..
考え方が大きく2つに分かれます。日本以外の国、海外ではビグアナイド薬のメトホルミンが第一選択薬となります。重度の腎機能障害がなければまず使う薬剤になります。日本ではメトホルミンの一世代前のビグアナイド薬であるフェンホルミンが高齢者や腎機能障害がある人で乳酸アシドーシス(膵臓での乳酸の利用が減ると同時に、血液の中に乳酸が異常に増えてしまい、血液が酸性になる状態のこと)を多発したために、高齢者で禁忌だった時代がありました。そのためどうしてもメトホルミンを使う機会が少なく、どちらかというと現在では最初はDPP-4阻害薬を中心に使っている人が多いのが現状です。
実際は、乳酸アシドーシスの頻度はそれほど高くなく、腎機能を定期的にしっかり評価して使えば問題ないというのが世界の趨勢(すうせい)になっていて、日本でも以前よりは高齢者に使う流れになっています。ただ、日本糖尿病学会では、病態に合わせて使用する薬剤を選択するということが勧められています。そこが海外のガイドラインと違うところです。そういう意味では、どの薬剤から使うかはあまり決めなくてもよく、高齢者でも病態に合わせてDPP-4阻害薬かメトホルミンの、どちらかをまず使っていくというのがいいのではないかと思います。その他に高齢者でおもに使われる薬剤は少量のSU薬、食後高血糖を改善するα-グルコシダーゼ阻害薬とグリニド薬がありますが、病態やコストを考えて、最初に使用しても構わないと思います。
経口糖尿病治療薬について(oral drugs for diabetes melitus)
フォシーガをメディカルダイエット目的で購入、安全に服用するには、最短即日発送のクリニックのオンライン処方をおすすめします。海外通販(個人輸入代行サイト)との違いや、代行サイト利用のリスクについても解説します。フォシーガの服用・併用はクリニックの指導のもと行うのが安心です。
「便の中にブドウ糖を出す」という糖尿病治療薬の新しい作用を発見
このように、阻害薬は血糖降下作用のみならず、心臓、腎臓など様々な内臓にも良い働きを及ぼすことが知られており、まだ見ぬ良い効果はないかと今も研究が進んでいるとても興味深い薬なのです。
糖尿病の飲み薬(経口血糖降下薬) | 茅ヶ崎市の糖尿病専門医が解説
グラクティブ、ジャヌビア テネリア スイニー エクア オングリザ ネシーナ トラゼンタ
低血糖を起こすことなく、また大きな副作用もないようです。良い薬だと思います。
1例だけ重篤な肝機能障害がありました。
※ 他の糖尿病薬による治療を受けている人、および高血圧症、脂質異常症などの他のリス
この薬は、膵臓からのインスリン分泌を促進するインクレチンというホルモンを分解するDPP-4という酵素の働きを抑え、インクレチンを分解されにくくします。その結果、インクレチン作用が高まって、インスリン分泌量を増やし、血糖値を下げます。薬剤によって服薬が朝1回なのか、朝夕2回なのかの違いはありますが、有効性や安全性などはほとんど差がありません。シタグリプチンとアログリプチン、アナグリプチン、サキサグリプチン、トレラグリプチン、オマリグリプチンは腎機能に応じて用量の調節が必要ですが、それ以外はほとんど変わらないので、何も考えないで最初に処方する分にはとても使いやすい薬です。おそらく現在は全国の7割ぐらいの医師がDPP-4阻害薬を第一選択として使っていると思われます。