シェルビーアジア コブラAPモデル5速マニュアルトランスミッション


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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーアジア コブラAPモデルクラシカルでシンプルなインパネ

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シェルビーアジア コブラAPモデル飛行機のコックピットさながらの計器類

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シェルビーアジア コブラAPモデルシートベルトも飛行機のよう

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]


コブラは大別して、「オリジナルコブラ」「コンティニューションコブラ」「リプロダクションコブラ」という3つに分類される。それぞれについてはおいおい説明するとして、今回紹介する「アジアパシフィックモデル(以下APモデル)」は、「シェルビーアジア」の田邊代表が日本向けにプロデュースしたもので、上記でいうと「リプロダクションコブラ」の中の1台だ。

シェルビーアジア コブラAPモデル小さいけどグローブボックスも完備

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル] 試乗レポート/岡本幸一郎
レポーターの岡本幸一郎さん

シェルビーアジア コブラAPモデルホロを装着するとこんな感じ

さて、コブラが誕生したのは、1960年代の始めのこと。ベースとなったのは、イギリスのACカーズという自動車メーカーが販売していた「エース」という小気味のよいスポーツカーで、当時はなかなか評判がよろしかったそうな。ところが、当時ACカーズにエンジンを供給していたブリストル・カーズから、エンジン供給を受け続けることが困難な状況となった際に、レーシングドライバーとして名を馳せていたキャロル・シェルビー氏がアイデアを持ちかけたのがことのはじまり。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

1960年代初頭、キャロル・シェルビー氏はエンジンの供給に困っていた英国ACカーズに対し、米国フォードのエンジンを供給するかわりに、ACカーズからボディとフレームを供給させ、そのクルマを全米のフォード店舗でも販売するともちかけた。こうして完成した英米合作のスーパースポーツカーがオリジナルのコブラで、1963年から70年頃にかけて生産された。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

今回紹介するアジアパシフィック(以下、AP)モデルもその1台。長年シェルビーの正規代理店として、コブラの日本への輸入販売を手がけ、このほど(編集部註:2011年当時)横浜にシェルビーアジアを設立した田邊正剛氏が、ビギナーにもコブラを楽しんでもらえるようにと日本市場向けにプロデュースしたモデルだ。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

こうして世に送り出されたコブラは、圧倒的な性能を誇り、レースでも輝かしい成績を挙げた。しかし、ACカーズの業績低迷、ガソリン価格の高騰、アメリカ国内の安全基準を満たさなくなったことなどの諸事情により、コブラは消滅を余儀なくされる。ACカーズもやがて倒産を迎えることとなった。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]
フォード製マスタング用「COYOTE(コヨーテ)」ユニット 5.0リッター DOHC 32V ガソリンエンジン

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

コンテンポラリーモーターカンパニー(現在はファクトリー・ファイブ・レーシング社が継承)やERAレプリカオートモビル、今回のAPモデルの生産も手がけるハイテックオートモーティブなどがメジャーどころとして挙げられ、ピーク時は世界中に40社をゆうに超える数のメーカーがあったと伝えられる。現在でも約20社がリプロダクションコブラの生産に携わっている。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

一方で、しばらくずっとリプロダクションコブラのことを放置していたシェルビー氏が、それらを提訴するとともに、オリジナルコブラと同じ治具や寄せ集めたパーツなどをもとに忠実にオリジナルを再現したコブラを世に送り出した。これが「コンティニューション(継続生産)コブラ」であり、「CSX-」と呼ばれるモデルが現在も生産され続けている。こちらのみ、「SAAC(シェルビー アメリカン オートモビル クラブ)」に正式に登録される。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

コブラの愛好家は今でも世界中にいるわけだが、日本へのコブラの輸入販売をいち早く手がけたのが、冒頭で紹介した田邊正剛氏だ。1986年より一貫してコブラに携わってきて、その実績がキャロル・シェルビー氏に認められた同氏は、1997年に極東地域で唯一、「シェルビー」の商標使用権を獲得。以来、日本における正規輸入販売代理店となっていた。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

そして、中国をはじめ極東地域のさらなる販路拡大に向けて、2010年7月にシェルビーアジアを設立。同年11月ショールームオープン。さらに翌2011年6月にはシェルビー製品に関するロイヤリティを統括するシェルビーライセンシングとの正式契約にいたった。

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シェルビーアジア コブラAPモデル
排気量5.7リッター(最高出力448ps/最大トルク57.8kgm)のフォード製エンジン。しかしフォードからの供給の都合で、実際のAPモデルは、500ps、62.2kgmを発揮する6リッターユニットになるとのこと

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

これまで高額が当たり前だったコブラの新車がエアコン付きで680万円という価格で手に入り(編集部註:2011年当時)、しかも非常に乗りやすく、さらにはこうしたクルマとしては珍しく保証まで付いているということは、実に画期的なことだ。コブラに興味はあっても、とても手が出ないし、リプロダクションモデルにはなかなか踏み出せないでいたファンにとって、まさに願ってもない話だといえるだろう。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

APモデルは、長年シェルビーの正規代理店として、コブラの日本への輸入販売を手がけてきた田邊氏が、日本のビギナーにもコブラを楽しんでもらえるようにとの思いから、低価格で、乗りやすく、メンテナンス性に優れることに考慮して最適にアレンジした、田邊代表いわく「これまで培ってきたノウハウの結集」である。