更年期障害を主訴に直接婦人科を受診される方もいますが、身体的な症状で他の診療 ..
女性のライフステージは、おおまかに思春期(10~18歳ころ)、性成熟期(18~45歳ころ)、更年期(45~55歳ころ)、老年期に分けられ、それぞれで起こりやすい病気があります(図1)1-3)。そのため、思春期から老年期まで、継続的に産婦人科での心身のケアが必要とされます。
初めての月経(初経)の後は、子宮や卵巣の成熟に伴い、エストロゲンの分泌量が増加し、妊娠や出産に向けての準備が整っていきます。このため、思春期(10~18歳ころ)では卵巣の機能が完成するまで、月経不順や無月経、月経困難症などの月経関連症状が多く認められます。最近では、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)の認知度も高まってきました。
性成熟期(18~45歳ころ)は、エストロゲンの分泌量が多くなり、妊娠・出産を意識する世代です。思春期と同様に月経関連症状が多くみられますが、子宮内膜症や卵巣嚢腫、子宮頸がんなどの器質的疾患も認められます。
更年期(45~55歳ころ)はエストロゲンの分泌量が急激に減少するため、体内のホルモンバランスが激変し、心身ともに体調を崩しやすい世代です。血管運動神経症状、身体症状、精神症状など、多岐にわたる症状がみられます。症状には個人差があり、その程度も軽症から重症までさまざまですが、日常生活に支障がある場合は「更年期障害」とよばれます。
老年期ではエストロゲンの分泌が乏しくなり、老人性膣炎や骨盤臓器脱など婦人科関連の症状がみられるほか、骨粗鬆症や動脈硬化などの疾患なども多く認められます。
更年期障害における血管運動症状に対してのSSRI vs SNRI
思春期では、月経不順や無月経、月経困難症などの月経関連症状が多く認められます。多くの方は初経後2年ほど経過してから月経痛が強くなりますが、月経をストレスと感じさせないようケアしていくことが大切です。しかし、「月経痛で登校できない」ことを主訴に婦人科を受診する方の中には、学校に馴染めない、いじめがある、受験が控えているなど、別の要因が隠れていることがあるため、意識して背景を探る必要があります(図2)。
無月経の場合は、背景に摂食障害が存在することがあるため、必ず体重の増減がないかを確認します。思春期はスポーツを活発に行っている世代であり、利用可能エネルギーが不足することにより無月経になり、骨粗鬆症予備群となっていることもあります。「女性アスリートのヘルスケアに関する管理指針」4)などを参照しながら、どのような学校生活を送っているか把握することが大切です。
そのほか、入学試験などのために月経を移動させる必要があり婦人科を受診される方もいます。また、最近積極的な勧奨が再開されたヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種も重要です。症例数としては少ないものの、月経がはじまったことをきっかけに性別の違和感を持つ方もいるため、精神科との連携も必要です。
思春期の患者さんは、母親に連れられて来院されることが多くあります。その結果、問診に対してもご本人に代わって母親が答えてしまい、なかなか直接話を聴けないことが少なくありません。
診察の部屋を変更するなど、ご本人から直接聴き取りができるよう工夫して、本当に困っていることや治療に対する希望など、ご本人の気持ちや考えを聴いたうえで治療することが重要です。
また、心身症の症状が強い場合は、更年期障害の症状に対する治療を続けながら、当院で心身症に対する治療を行うことをおすすめします。更年期障害と心身症どちらの症状も改善することが期待できます。諦めずに治療を継続していきましょう。
躁病・うつ病などの精神的な病気が考えられます。また、甲状腺機能亢進症や更年期障害などの身体的な病気が原因となることもあります。
治療をしていても、そのような症状が起きて身体が辛くなる不安から心身症を発症することにもつながります。更年期障害の症状に負けない気持ちを持つことが最も大切です。適切な治療が行えれば、症状を緩和することは可能で、簡単に治るわけではありませんが治療に向き合っていくことが大切です。
更年期障害は、女性ホルモンの分泌が急激に低下することで強い心身の症状が現れる、女性特有の疾患です。そして、日常生活におけるストレスや疲れ、睡眠不足なども症状の悪化の要因とされています。更年期障害はそれ自体が直接命に関わらない病気であっても、その症状には精神的に参ってしまう症状や身体的な苦痛症状によって、日常生活を送るのに支障をきたすことがあります。
SSRIのひとつであるレクサプロは海外にてPMDD(月経前不快気分障害)の適応を ..
この更年期障害の症状への不安から心身症になり、その結果さらに心身症が強くなることがあります。更年期障害の症状も、心身症もリラックスして生活することが大切です。ストレスを完全になくすことは困難ですが、治療を受けると共に充分な睡眠や休息、適度な運動など日常生活に取り入れることで、症状を軽くできるでしょう。
更年期障害による、精神的な症状や身体的な症状が重い場合は、またいつ起こるか分からない症状に対して不安や恐怖心がストレスとなり、自律神経系に影響を与えてしまいます。その結果、ストレスがかからなければ起きなかっためまいや耳鳴り、吐き気などの症状が現れることもあります。これが心身症であり、心身症による症状がまたストレスとなり、自律神経系にさらなる不調を来すといった悪循環をまねくことにつながります。
更年期症状に抗うつ薬「SSRI」服用で骨折リスク1.76倍 | 健康百科
更年期障害は婦人科の病気ではありますが、生活習慣やストレス、疲労なども大きく関与していると考えられています。そして、更年期障害と心身症は密接に関わっています。
うつ病と診断されたら、精神科の外来に通院して精神科医と話しながら、自分の問題点を整理したり、疾患についての知識を得ることが治療の基本となります。ただし、そこから先の治療はうつ病の程度(重症度)によって異なります。
軽症のうつ病においては、薬物療法は必須ではなく、今までの経緯や現在の体調を踏まえて、主治医との相談で選択されます。
一方、中等症以上のうつ病では、休養と、抗うつ薬を中心とした薬物療法がおもな治療法です。場合によっては入院治療や電気けいれん療法も選択されます。また、症状の回復過程で、マイナス思考を変化させる認知療法や、心理面接などを併用することもあります。
以上は、成人のうつ病に対する治療となりますが、若者や高齢者のうつ病ではまた治療法が異なります。いずれにしても専門医により治療を受けることが望ましいです。
なお、うつに対して使われる薬の中には、プロラクチンというホルモンを上昇させやすいものがあり、月経不順や月経の停止、乳房緊満と乳房痛、乳汁分泌などを引き起こすことがあります。抗うつ薬の効果の出方や副作用についてもあらかじめ情報を得て、医師とよく相談して使用しましょう。
家族や周りの人にも、うつ病についての理解があると、ご本人の回復の支えとなります。決して「怠け」ではなく脳の機能の変化による症状ですので、叱咤激励は厳禁です。長い目で見守っていただく必要があります。
なお、うつ病とは異なる「うつ」の場合、休養がかえってマイナスになってしまったり、抗うつ薬の効果が得られず、かえってイライラしてしまったりすることが知られていますので注意が必要です。躁うつ病(双極性障害)の場合には、気分安定薬を中心とした治療が必要になります。いずれにしても専門医による治療が必須となります。
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更年期障害の治療は、大きく分けて薬物療法、食事療法、運動療法の3つの方法があります。とくに薬物療法を中心として、適切な治療とともにカウンセリングや心理療法を行うことで改善を図っていきます。詳しい治療内容は、次のとおりです。
更年期うつのつらい症状から開放されつつあるので嬉しいです。 投稿者 匿名さん
更年期障害は現れている症状と検査の結果、本人が日常生活を送れないなどの苦痛の程度などを含めて、総合的に診断することが一般的です。
主にストレスや睡眠不足、うつ病、不適切な食生活、運動不足、更年期などの原因によって引き起こされます。 ..
さらに何か不安なことや悩み事、ストレスを感じる出来事の有無などの精神面についてもしっかり把握します。それだけ、更年期障害は女性ホルモンだけではなく、その方が暮らすさまざまな環境が関係あると考えられているためです。
全般性不安障害でレクサプロ10mgとロフラゼプ酸エチル0.5mgを寝る前に1回と ..
他には、生活習慣を改善させて、心身ともにリラックスできる生活環境を整えることも治療方法の一つとされています。更年期障害のなかでもうつ病は、婦人科の先生だけではなく心療内科で診察を受けることもあります。
あがり症などの社会不安障害(SAD)や生活習慣病、更年期 ..
更年期障害の診断は、最初に詳しい問診を行います。問診の内容は、症状の種類の有無やいつから症状が出たのか、症状の強さなど症状に関する問診と、生活習慣や過去の病気の有無などの問診を行います。
トフィソパムはグランダキシンのジェネリックで、自律神経失調症の治療薬です。 他にも多汗症の改善や更年期障害の症状改善などの効果があります。
更年期の時期である、45歳~55歳ころは閉経という女性にとって大きな身体の変化がある上に、仕事・育児・介護などの生活環境が大きく変化する時期です。自分の身体と向き合う時間を取る余裕がなく生活しているうちに、更年期障害が悪化しているケースもあります。
レクサプロの離脱症状には不眠、吐き気、ふらつき、頭痛、感覚障害などが ..
北米更年期学会の2015年のエビデンスに基づくポジションペーパーでは、更年期の血管運動症状の治療について、いくつかの異なる非ホルモン療法の選択肢を検討した。学会は、SSRIとSNRIの両方が生理的更年期症状(加齢によるもの)および外科的更年期症状(外科手術後)を大幅に緩和すると結論づけた。SSRIではパロキセチン(パキシル:10〜25mg/日)、エスシタロプラム(レクサプロ:10〜20mg/日)、シタロプラム(セレクサ:10〜20mg/日)が最も症状を軽減し、SNRIではベンラファキシン(イフェクサー:37.5〜150mg/日)とデスベンラファキシン(プリスティック:100〜150mg/日)が有意に作用したと述べている。SSRIは初期の副作用(特に吐き気とめまい)が少ないが、タモキシフェンの代謝を損なうことが指摘された。このため、乳癌の既往がある女性にはベンラファキシンが好まれた。
【状況】 嘔吐恐怖症などの不安障害でレクサプロを処方されました。しかし副作用が吐き気、ということでなかなかスムーズに服用ができません。
更年期障害は一種のストレス性疾患とも考えられており、さまざまな要因が重なって発現します。更年期の女性は、生理的な現象としてエストロゲンが低下するため、何らかの症状が出ています。この症状が日常生活に支障を来すほど、強くなるのは次のような要因が考えられます。
障害で、レクサプロ10mgを夕食後に1錠・ロラぜパム0.5mgを寝る前に1錠服用していますが、レクサプロ ..
更年期障害は、不調をほとんど感じないで過ごす方もいれば、上記のような症状に苦しむ方もおり個人差があります。どのような症状が出現するか、日によっても症状の出方が変わるため、元気な日や不調で行動できない日と症状の差があり、ご本人も戸惑うことがあるようです。
更年期障害に使われることもあります。抗不安薬や睡眠薬であらわれやすい ..
これらの症状は、年齢とともに現れる症状の種類が変化しますが、更年期障害の初期はホットフラッシュや発汗から始まることが多いです。
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性成熟期でも思春期と同様に月経関連症状が最も多くみられます。PMDDはささいな症状も含めるとほとんどの女性が感じており、そのうち社会生活困難を伴うPMSの頻度は5.4%、PMDDの頻度は1.2%と報告されています(欧米では2~4%)5)。PMSの治療として、「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020」5)では第1 選択治療にはカウンセリング・生活指導(症状日記、規則正しい生活と睡眠、アルコール制限)、エクササイズ・運動療法など、また低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬も推奨されています(各推奨レベルB、図3)。精神症状が主体の場合は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が推奨レベルBとして記載されていますが、産婦人科では処方に至らないことも多いため、精神症状が強い場合には精神科や心療内科への紹介を考慮します(推奨レベルC)。就労している方も多い中、月経前~月経中にかけて月の半分にわたり不調を感じる状態は、なかなか周囲の理解を得られにくく、休職を余儀なくされる方もいるため(図4)、産婦人科医が「かかりつけ」となり、月経のストレスを克服できるようにしていきたいと考えています。
また、子宮頸がん検診が推奨されている世代でもあり、パートナーとの関係で性感染症の治療やピルの処方が必要になることもあります。最近では、「プレコンセプションケア」の認知度も高まってきました。プレコンセプションケアとは、女性が妊娠する前から、改めて自身の健康意識を高めることと定義されており、婦人科における健康診断も行っていきたいと考えています。また、不妊症や不育症の治療で頻回な通院を行っても妊娠に至らず、不安やあせり、精神的なダメージを受けている女性も少なくないため、精神的なケアが求められます。さらに、周産期に至った場合はなお一層の精神的なケアが必要です。
性成熟期の患者さんの特徴としては、インターネットなどで心配ごとについて調べて相談に来られることが多くあります。特に、PMS、PMDDが疑われる方は精神科の受診歴がある方も少なくないため、精神科と連携して治療を行っていくことが重要であり、患者さんにもそのように伝えています。
更年期障害とうつ病体験談イベント特集 · レクサプロ突然死イベント特集 · 目に見え ..
2015年のSRでは、27〜78歳の女性3490名を対象に、血管運動症状に対するSSRIとSNRIの有効性を評価した。(「ほてり」回数は0〜50回/週)活動性がん患者、ホルモン療法、抗うつ薬、精神作用のある薬剤を内服している人は除外されている。ベンファラキシンがSNRIの第一選択で、効果発現が最も早く、(1週間までに単独で41%減、プラセボに対して26%減、P
症状が更年期障害なのかを見極めることが大切です. 【更年期障害の治療法】
この結果について、セウ氏らは「精神障害の患者を対象とした研究の結果と一致するもの」とし、「骨折リスクの上昇を抑えるため、SSRIによる治療期間をできるだけ短くする必要があるかもしれない」と考察。さらに、胃薬のPPIもわずかに骨折の危険性を上げると報告されていることから、今回の結果ではSSRIの骨折リスク上昇が過小評価された可能性もあるとしている。
更年期うつのため服用していますが、辛かったホットフラッシュや動悸が減り ..
―要約-
Q.
SSRIとSNRIは更年期の血管運動性障害の治療に有効か?
A.
SSRIとSNRIはどちらも更年期の血管運動症状を緩和するのに有効である。(推奨度A)
2つのクラスの薬物を直接比較した研究はない。SNRIはより多くの有害作用と関連している。SSRIはタモキシフェンの代謝を阻害する可能性があるため、乳がんの女性にはベンラファキシン(イフェクサー)が好まれる。