フォシーガと心不全に関連してよくある質問にお答えしていきます。


高齢化で患者が増加する心不全に、新薬が相次いで登場しています。昨年以降、小野薬品工業の「コララン」やノバルティスファーマの「エンレスト」が発売され、今年11月にはアストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ」も承認を取得。専門家は「心不全治療に新たな潮流が訪れた」としており、治療薬の市場も大きく拡大すると予測されています。


[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について

心不全は、心臓の機能障害によって十分な血液を全身に送り出せなくなり、呼吸困難や倦怠感、浮腫といった症状が現れる状態のことです。心筋梗塞や心筋症といった心臓の疾患や高血圧などが原因で、増悪を繰り返すのが特徴。増悪するたびに心機能は低下し、やがて生命に関わる状態に至ります。高齢化を背景に国内の患者数は毎年1万人のペースで増えており、2030年には130万人に達するとの予測もあります。

心臓は通常、拡張と収縮を繰り返しますが、心不全の人は血液を送り出すことが難しくなり心臓が拡張します。
この負担を軽減することがフォシーガの特長です。

フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

では、具体的にどの部位に働いて効果を発揮しているのでしょうか?
次項から、心不全におけるフォシーガの働きについて詳しく解説していきます。

また、フォシーガは心不全だけでなく腎臓病の治療でも使用されています。
腎臓への効果については別の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】

心不全では、線維芽細胞という炎症を起こす機能を持つ細胞が過剰に増殖することで、細胞外マトリックスという物質が増加し心機能に悪影響を及ぼすことがあります。

九州大大学院医学系研究科循環器内科学の筒井裕之教授は「冠動脈インターベンション治療といった急性治療が進歩・普及したことで、急性心筋梗塞の治療成績は向上し、死亡者数も減少している。心不全の治療も進歩しているが、それ以上に高齢化の影響が大きく、心不全による死亡は一貫して増え続けている」と話します。

SGLT2阻害薬の心不全に対する作用機序は、いまだ不明な点が多いです。

慢性心不全は、主に「左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)」と「左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)」に分類されます。HErEFは左室筋が十分に収縮できないことによって起こる心不全で、HFpEFは心筋の収縮は正常ながら心室が十分に拡張しないことが原因で起こる心不全です。

この記事では、フォシーガの心不全への作用機序について詳しく解説し、この疑問にお答えしていきます。
またフォシーガを飲むときの注意点についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。


示された。その結果、日本循環器学会/日本心不全学会 2017 年改訂版急性・慢性心不全診

慢性心不全の半数以上を占めるとされるHFrEFの治療では、▽アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)▽アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)▽ベータ遮断薬▽ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)▽利尿薬――などを必要に応じて組み合わせて使うのが標準的。一方、HFpEFでは、死亡やイベントの発生を抑制する効果を明確に示した薬剤はなく、利尿薬によるうっ血の改善や原疾患に対する治療が中心となります。

ダパグリフロジンの慢性心不全に対する薬理作用には、SGLT2阻害による浸透圧性利.

慢性心不全では昨年以降、新規の作用機序を持つ薬剤が相次いで登場しています。

ダパグリフロジンの慢性心不全に対する薬理作用には、SGLT2阻害による

では、なぜ糖尿病治療薬として開発されたフォシーガが心不全の治療に使用されるようになったのでしょうか?

医療用薬15製品 効能追加など承認取得 フォシーガに慢性心不全

皆さん、こんにちは!
今回は糖尿病治療薬の1つであるSGLT2阻害薬の「フォシーガ」(一般名ダパグリフロジン)が、日本において慢性心不全に対する効能又は効果の追加承認を取得されましたので紹介したいと思います。
まず、SGLT2阻害薬とはその名のとおり、SGLT2の働きを阻害する薬剤です。
SGLT2の働きを阻害すると、近位尿細管でのグルコース再吸収が減り、その分だけ尿糖の排泄が増えます。
その結果、高血糖が改善されます。

そんな糖尿病治療薬がなぜ、心不全の治療薬として使用できる事になったのでしょうか?
もともと、糖尿病は心不全の進展要因であることは、多くの研究で明らかにされていました。
同時に、糖尿病は心血管疾患の主要な危険因子でもあります。
しかし、従来の糖尿病治療薬は心不全に対する予防効果を示すエビデンスに乏しいものでした。
ところが、2015年頃から、いくつかのSGLT2阻害薬が動脈硬化性心疾患合併の2型糖尿病患者の心不全入院や心血管死を減少させるという結果が報告され、SGLT2阻害薬の心保護作用に注目が集まりました。
ところが、それらの試験対象の多くは心不全を合併していない糖尿病患者でありました。
そこで、糖尿病合併の有無を問わず、心収縮能低下した心不全患者に対するダパグリフロジンの上乗せ投与効果を検証した大規模試験を行ったところ、糖尿病合併の有無に関わらず、ダパグリフロジン上乗せは有意に心血管死、心不全を抑制するという結果が報告されました。
ここで注意したいのが、本研究の対象が心不全の標準治療を受けている(ACE阻害薬・ARB、β遮断薬は9割以上、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬が7割以上導入されている)患者であったため、ダパグリフロジンはあくまで標準治療をうけた慢性心不全患者に限り適応となります。
それと左室駆出率が保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与することとされています(添付文書参照)。
今後、他のSGLT2阻害薬も適応承認に追随すると思われますが、そこで気になるのが作用機序だと思います。
しかし、SGLT2阻害薬の心不全への作用機序は、いまだはっきりとわかっていません。
その作用機序が基礎実験や臨床研究から少しずつ明らかになっているところなのです。
恐らく諸説ありますが、腎臓を介した作用や血管への作用に加え、心臓への直接的な作用によって心不全への効果をもたらすと考えられています。
これらから、SGLT2阻害薬は心不全患者にとって、これまでにない新しい治療薬と期待されます。
今後の動向が気になるところです。

薬学生の皆様、将来現場に出て既存薬で治療が不十分な患者さんがおられましたら、医師と協議して検討してみてはいかがでしょうか?
是非、参考にしてください。

【エンレストってどんな薬?】心不全治療薬のARNIを作用機序から理解し、臨床で活かせるようになろう!

SGLT2阻害剤のフォシーガは「2型糖尿病」「1型糖尿病」に続き、2020年11月に「慢性心不全※」の効能・効果が追加承認されました。
本ムービーでは、フォシーガが慢性心不全※に対して影響すると考えられる、SGLT2阻害による腎臓への作用、血行力学的作用、心臓への作用のメカニズムを解説しています。ぜひ、ご覧ください。
※効能又は効果:慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

私が思うに慢性心不全の適応では、これは主作用に関連してくるのでは ..

・脱水
フォシーガと利尿剤を併用している場合、利尿作用が増強され脱水状態になる可能性があります。
脱水予防のためには適度な水分補給が望ましいですが、

の血糖コントロールを改善 慢性心不全に対する薬理作用には,SGLT2

エンレストは、ARBバルサルタンとネプリライシン阻害薬サクビトリルを1分子中に1対1で含有する単一の結晶複合体です。心保護因子であるナトリウム利尿ペプチド(ANP)を分解するネプリライシンを阻害してANP系を増強するとともに、心臓刺激因子であるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の過剰な活性化を抑制。慢性心不全に対する標準治療を受けている患者が対象で、ACE阻害薬またはARBからの切り替えで使用されます。

私が受けるのは慢性心不全の急性増悪です。急性心筋梗塞等に伴う急性心不全 ..

フォシーガは、腎臓の近位尿細管付近でグルコースやナトリウムの再吸収に関わるSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)を阻害する薬剤。心不全に対する作用メカニズムには諸説ありますが、腎臓を介した作用や血管への作用に加え、心臓への直接的な作用によって心不全への効果をもたらすと考えられています。国内では14年から2型糖尿病治療薬として販売されていますが、心不全では2型糖尿病の有無を問わず使用可能です。

心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)、慢性腎臓病(末期・透析除く)

フォシーガは2型糖尿病の薬ですが、最近では慢性心不全への効能・効果が承認されています。
実際に2020年に慢性心不全に対しての適応が追加されて以来、現在の医療現場で使用されています。

処方医が、フォシーガ錠を慢性心不全の患者に使用する場合の投与量を把握してい ..

フォシーガは糖尿病治療薬ですが、糖尿病ではない心不全の患者に対しても適応可能です。
現在は、心不全治療において最優先で使用すべき4つの治療薬の1つに選ばれています。

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フォシーガが分類されるSGLT2阻害薬が心不全の治療薬として承認されたのは2020年とまだ最近のことです。
それにもかかわらず、SGLT2阻害薬はすでに従来から心不全の治療薬として使用されていたARNI、β遮断薬、MRAとともに心不全治療薬のファンタスティック4と称されています。

は元来糖尿病・慢性心不全に使用されるお薬です。このお薬は近年では

エンレストはHFrEF患者8442人を対象とした海外臨床第3相(P3)試験「PARADIGM-HF試験」で、ACE阻害薬エナラプリルに比べて心血管死と心不全による初回入院からなる複合エンドポイントのリスクを20%抑制。フォシーガも、HFrEF患者4744人を対象とした国際共同P3試験「DAPA-HF試験」で、複合エンドポイント(心血管死、心不全による入院、心不全による緊急受診)のリスクをプラセボに比べて26%抑制しました。