2024/07/04 治療薬 · アクチベーションシンドローム(賦活症候群)とは|症状や原因・対処を知ろう.
警鐘事例のほか、副作用モニターで集約したグレード2、3の副作用には、パロキセチン塩酸塩による躁転、不眠や肝機能障害、発疹、エスシタロプラムシュウ酸塩による徐脈、血圧低下などが報告されています。エスシタロプラムシュウ酸塩は海外において過量投与により胃腸障害、心血管障害(低血圧、頻脈、QT延長、不整脈)が報告されており、QT延長のある患者では禁忌、著明な徐脈等の不整脈またはその既往歴のある患者では慎重投与になっており、製造販売後調査で検討が必要とされています。
(パキシル錠など)、エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ ..
そして、まず何の薬剤を選択するのかは、画一的に行わず患者様により変えていますが、やはり多くの症例に対し前回詳しくお伝えしたSSRIを選択しております。特に強い有害作用が無ければ、その薬剤を漸増していくこととなります。最終的な用量としては、十分な改善を得られる用量まで増量していく方針を取っています。ものと考えています。どの薬剤にも必要十分とされる用量設定がありますので、基本的にはその用量を目標にして増量していきます。必要十分な用量まで増量しましたら、4週間程度の期間を設け、効果判定をしていくのが一般的と思われます。当院では、症例の状態やそれまでの経過により、2週間から8週間の幅を持たせて対応しています。
また、最初に選択した薬剤で効果不十分な場合には、作用の仕方の異なる他の薬剤に変更して、同様に調整していきます。なお、SSRIであるとか、三環系抗うつ薬であるとか、大枠で同様にくくれる薬剤であっても、全く同じプロフィールではないとお考え下さい。その為、SSRIの中での変更ということも実際には行われます。当院では、三環係抗うつ薬と呼ばれる古いタイプの薬剤も積極的に活用しています。また、二種類以上の薬剤を併用して使用することもありますが、主軸となるものを設けていき、十分量を用いる薬剤は出来る限り一種類にするよう心掛けています。
そして、十分な改善を得た後も、していくのが原則的となっています。回復まで比較的長期間を要した症例やストレス要因が持続しているような症例では、一年間以上継続することも珍しくはありませんし、再発を繰り返している症例では、長期的に投薬していくことにもなります。また、中止する時は開始時と逆で、漸減していく形を取ります。もうすっかり回復したからと言って、お願いしています。風邪と同様に、うつ病でもこじらすことにもつながりかねませんから。うつ病に罹患していた自分を早く忘れ去りたい、もう治ったと早く思いたい、という心情は解りますが、くれぐれも医師の指示通りに治療を終了するよう望んでいます。もし、怠薬や飲み忘れをされた場合には、正直に医師に申告して下さるようお願い致します。精神科の薬物療法においては、半錠単位の細やかな用量調整(さじ加減)が要求される面もあり、的確に服用量を把握しておく必要があるからです。
(参考)アクチベーションの好発時期は服用開始後2週間以内あるいは増量時で、アメリカ食品医薬品局・FDAでは次の11の症状をあげている。(日本うつ病学会「SSRI/SNRI」を中心とした抗うつ薬適正使用に関する提言」:不安、焦燥、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア、軽躁、躁)
レクサプロやジェイゾロフトは効果と副作用のバランスが良いお薬として紹介 ..
なお、上記の副作用が出現したとしても対処可能なレベルであることは多く、効果・必要度とのバランスを図りながら投与していくことになりますし、特に重篤なものや後遺障害を来たすようなものは基本的に見られません。また、うつ病の薬物療法上、多少の副作用発現を受け入れる用意は必要であろうと思われます。
エスシタロプラムシュウ酸塩は選択的にセロトニン5-HT再取り込みを阻害する薬剤であるため、投与初期に消化管の5-HT受容体を刺激して消化管運動が低下することにより嘔気・嘔吐、下痢などの消化器症状が起こると考えられています。服用前に遺伝子型EM群(CYP2C19活性)を確認することは困難であり、心電図検査が実施されなければQT延長のような副作用を発見することはできません。製造販売後調査の情報を注視するとともに、服用が選択された場合には原因不明の突然死等を発生させない注意深い監視が不可欠です。
まず、これらの攻撃性や衝動性、自傷行為の出現の多くはアクティベーション・シンド
引き続き、今回もお伝えしていきたいと思います。まずは、前回と同様に性格パターンを箇条書きにさせて頂き、それらについて説明を加えさせて頂きます。
※以下では「レクサプロ」として、エスシタロプラムの効果や副作用をお伝えしていきます。
レクサプロは不整脈に注意。 SNRI, 尿閉(排尿が困難になる症状)や、高血圧を ..
最近、ジャニーズのキンプリ岩橋さんやセクゾ松島さんの活動休止のニュースから、パニック障害の認知が広がり始めています。その一方で、抗不安薬の副作用「賦活症候群」も注目されています。私の場合は、「特定不能の不安障害」と「賦活症候群」に悩まされました。今回はパニック・不安障害と賦活症候群の特徴や対処などについて、私の体験談をふまえて紹介します。
大学時代、私は発達障害の診断と過去の体験から傷ついた心のケア等のために、心療内科クリニックに通院していました。通院当初の私は、過去の傷つき体験からくる不安や恐怖、生きづらさ、人付き合いの悩みについて打ち明けていました。しかし、診察室での私はメモを片手に涙が止まらず、声も肩も終止震えていました。そこで主治医の方は、対人不安の強い私が「リラックス」できるように、と薬を処方しました。最初に飲んでいていたのは、スルピリド(抗精神病薬)でした。抗精神病薬は統合失調症に適用されますが、スルピリドのように軽いものなら、不安や緊張の緩和にも効果的です。スルピリドは私に合っていたようで、飲んでから不安感が和らぎました。しかし、半年後には副作用の不正出血があったので、薬の変更を主治医に頼みました。
【精神科医監修】抗うつ薬を解説【目的効果・種類・副作用とは?】
実はこの時、「賦活症候群」もしくは「パニック障害」の症状が、私を既に蝕んでいました。胸の底からじわじわと湧いてくる、急激な強い不安や動悸、指先の震え、ひどくなると体の芯からすーっと凍えるような感覚もありました。いくらベッドで横になっても、好きな音楽を聴いても、不安発作を紛らわすことができませんでした。不安で人は死ねるのではないか。今思えば不合理な考えが浮かぶほどにとても苦しく、夜になるまでずっと号泣していました。一番怖かったのは、「このままでは、私が私ではなくなるのではないか。何か恐ろしいこと(自分か誰かを傷つける)をしでかしてしまうのではないか」、という強い「発狂恐怖」でした。それはまさしく、「賦活症候群」にある不安と興奮の亢進、易刺激性などの副作用だったと思います。パニックが起こった翌日には、いつも通り大学には通っていましたが、賦活症候群の強い症状が落ち着くまでに、四日かかりました。
抗うつ薬(特に SSRI と呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害
賦活症候群(セロトニン症候群)とは、SSRIの服用によって、症状が悪化する現象です。SSRIは本来、安心や意欲、睡眠改善を高めてくれる「セロトニン」という神経伝達物質(脳内ホルモン)の不足によって生じるうつ病や不安障害等に効果があります。しかし、SSRIの服薬量やうつ病・不安障害の重症度、年齢、個人の体質などによっては、かえって不安や興奮、パニックを高めてしまうことがあります。賦活症候群には、自殺などの衝動性や攻撃性を高めてしまう他、不安焦燥や興奮の悪化、錯乱状態、睡眠障害などが見られます。今思えば私も、スルピリドからジェイゾロフト(SSRI)に移った途端に、不安焦燥の悪化や神経の興奮、錯乱と発狂恐怖が急激に現れました。
薬)などのセロトニン系の薬物を服用中に出現する副作用で、精神症
賦活症候群と同じ状態が、実は服薬「以前も」私の身にしばしば起きていました。周りの同級生や先生にきつく責められ、自分は何でここにいるのだろうか、と急激な恐怖に震えた時。ふと自分の顔、体とそこに宿る感覚、時間、目の前の空間に意識を向け、ここにいる自分、目の前の世界は果たして本当に現実なのだろうか、と不合理な疑問が浮かんだ時。普段は平気で見ていたはずのアクション映画やアニメ、マンガなどの怖いシーンを見た時。東日本大震災が起こる一、二か月前に、突然理由もなく涙と不安発作に襲われ、通学を拒否した時。しかし、それは通常のパニック障害とは違い、一年間に一度か、多くても四回、数えるほどしか起きていませんでした。しかし、SSRIの賦活症候群によるものか、あるいはそれが引き金となって「特定不能の不安障害」を発症したのか、定かではありません。ただ分かるのは、発達障害の特性から周りによく責められていた私が潜在的に抱いてきた不安や恐怖を、賦活症候群が浮上させたことです。
(6) 重大な副作用として、痙攣、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、セロトニン症候群、QT 延長、 ..
通常のパニック障害のDSM-5の診断基準として、予期せぬパニック発作(突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達する)を繰り返す状態、また発作が起きることへの予期不安が、続けて1か月以上現れることです。しかし私の場合、SSRIを服用して以降も、不安発作が一か月も来ない時もあれば、一週間も続いた時や、賦活症候群のかなり軽い状態がゆるやかに長く続いた時など、症状が安定しませんでした。
セロトニンによる症候群とは?症状や診断基準、治療について解説!
激しい不安発作事件の後、私は何かあった時にすぐ相談できるように近くの心療内科に移りました。新しいクリニックの主治医のもと、ジェイゾロフトの服薬量を半分に減らして飲むことで賦活症候群を緩和させました。しかし、それ以降の二年間は順調だったわけではありません。最初の時よりマシにはなったものの、やはり時折強い不安発作(特に発狂恐怖)は起こっていました。その他、過敏性や不安を感じやすくなったことから、トイレが以前の二倍近くなり、時々喉の異物感による不快な痛みにも襲われました。刃物や危ないものが視界に入ると、死や危険にまつわる恐ろしいイメージが頭を過り、そんなことを考える自分にすら恐怖を抱きました。恐ろしい事件や物語を自分のことのように感じ取って恐怖や悲しみで涙が止まらない、にも関わらず頭の中は悲しい音楽と共にそのことが頭から離れませんでした。自分が決して望んでいないはずの「恐ろしいこと」を、不安発作や賦活症候群が私にさせようとし、私がそれを必死に抵抗しているような、恐怖の時間でした。
5-HT神経系を賦活化し抗うつ作用を示すと考えられる28)。 18.2 抗うつ作用.
このようなうつ病の治療薬として、海外でSSRIなどの新規抗うつ薬が1980年代から登場し、本邦のうつ病治療においても広く使用されています。その一方で、より高い寛解率の達成、効果発現までの時間の短縮、賦活化症候群や離脱症状の軽減など、抗うつ薬の解決すべき課題も残されています。
こうした状況から、本邦においても新たな抗うつ薬の開発が待ち望まれていました。
する、些細なことで怒る)、セロトニン症候群(急に精神的に落ち着かなくな
●SSRIの副作用は、(特に服用開始時に)頭痛や消化器症状を呈する事がみられます。消化器症状に対しては、胃腸関連薬剤の併用により改善する事も多く、胃腸の弱い方はSSRI服用開始時より併用を開始すると副作用が予防できる可能性はあります。
SNRIのそれに加えて循環器系の副作用がみられる事があり、脈拍数や血圧の変動には注意が必要です。
NaSSAは、眠気・便秘・尿が出ずらい・口が渇く・体重増加等の副作用が現れる事があります。
三環系・四環系抗うつ剤は、全般的に副作用に注意が必要です。
●賦活症候群
抗うつ剤の投与初期に、『不安・焦燥・興奮・不眠・攻撃性・易刺激性・衝動性』、などの症状を生じる事があります。本来であればこのような症状を改善する役目の抗うつ剤が、症状を悪化させてしまうのです。若年者やパーソナリティ障害を併存する場合に多いと言われています。
予防は少量のベンゾジアゼピン系抗不安薬を併用すると発症リスクは下がりますが、ベンゾジアゼピン系薬剤は依存性がある為、最長6週間程度で中止しておいた方かいいです。
●離脱症候群
薬剤の(急な)中断時に起こる症状です。一般的には禁断症状と表現した方がわかりやすいでしょう。これも抗うつ薬だけでなく、抗精神病薬・抗不安薬・抗パーキンソン病薬等の神経系統薬剤全般にみられます。薬剤がぬける事への身体の抵抗と考えて下さい。
身体症状:吐き気、下痢、頭痛、発汗、筋肉痛
精神神経症状:不安、焦燥感(いらいら感)、不眠、錐体外路症状(アカシジア・ジスキネジア)、精神病状態(幻覚・妄想)
●セロトニン症候群
抗うつ剤等を服用早期に、脳内で神経伝達物質セロトニン濃度が上がり、セロトニン機能が異常亢進する事で生じます。SSRIで起こる事が多いです。
抗精神病薬剤の副作用の悪性症候群に似た症状を呈します。
身体症状:発熱、発汗、振戦(身体がピクピク動く)、筋強剛(身体が固くなる)、下痢、脈が速くなる、呼吸が早くなる、呼吸困難
精神神経症状:不安、焦燥感(いらいら感)、不眠、パニック症状、錯乱、興奮、軽躁状態
治療は原因薬剤の中止・補液・体温冷却等の保存的治療です。
る、体が震える、汗が出る、脈が速くなる、発熱、筋肉のこわばり、手足の
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)は、脳内神経伝達物質のセロトニン濃度を高め、神経伝達能力が上がることにより、抗うつ作用および抗不安作用を示すと考えられています。うつ病のほか社会不安障害など適応が広く、内科領域でも使用する場面が見られます。警鐘事例であげた「自殺念慮」は、プラセボと有意差がないことを理由に添付文書に副作用として記載されていません(「注意」事項として記載)。若年者への適用や攻撃性リスクの追記など、今後も重大な副作用への警戒が必要な薬効群です。また、発売当初は「依存性がない」と宣伝され、離脱症候群も充分に警告されていなかったと言えます。
[PDF] (編集後記) 段々と遅くなりつつあるKMC通信の発行ですが
レクサプロ錠®10mg(一般的名称:エスシタロプラムシュウ酸塩)は、デンマークのルンドベック社が開発したSSRIです。ルンドベック社はエスシタロプラムの開発に先立ち、ラセミ体であるシタロプラム(国内未承認)を開発し、1989年にデンマークで承認されました。その後シタロプラムの活性本体がS-エナンチオマーであることを見出し、光学分割したS-エナンチオマーがエスシタロプラムです。エスシタロプラムはセロトニントランスポータへの選択性が高く、セロトニン以外の神経伝達系への影響が少ないと考えられます。
◎アクチベーション・シンドローム(賦活症候群)とは◎
体内におけるセロトニン作用の増強に関連する副作用リスクについてあらためて注意を喚起します。全日本民医連の副作用モニターでも31件が報告されています。そのほとんどは、吐気・むかつきなどの消化器系への影響と眠気などの中枢神経症状です。うつ病での国内治験の副作用では、吐気は12~20%、傾眠は13~24%となっています。